コナー・ハーソン、スコーミッシュでMidnight Way(5.15a)初登

gripped.com
訳=羽鎌田学

この夏、21歳のアメリカ人クライマー、コナー・ハーソンが、カナダ、スコーミッシュのパラダイス・バレー、パラダイス・ウォールでMidnight Way(5.15a)の初登に成功した。また、スコーミッシュの看板エリア、ザ・チーフでは、トラッドルートのThe Shark(5.14)も初登した。

Midnight Wayは、既存のSpirit Quest(5.14d)の核心を通過してから、新しいパートへと入るバリエーション・ルートである。

「Spirit Questから別れ、さらに上の新しいパートで、3回も落ちてしまいました。完登するためには、Spirit Questのハードな核心を登り切った段階で、フレッシュな状態にいる必要があったのです」と、コナーはコメントしている。

「Midnight Wayを完登した日、1回目のトライでは、それまでの最高到達点まで登ることができましたが(ほぼ完登できそうなトライ)、2回目のトライではSpirit Questの半分くらいのところで落ちてしまいました。3回目のトライでは、Spirit Questを登っている途中で指から血が出ていることに気付き、そして登るにつれてそれがどんどんひどくなっていったのですが、それでもなんとか完登することができました」

若干15歳の時にヨセミテのザ・ノーズをレッドポイントして以来、コナー・ハーソンは史上最も優れたトラッドクライマーの一人として活躍している。昨年2023年8月下旬には、北カリフォルニアのシークリフ、プロモントリーで、2016年にイーサン・プリングルが初登した後、7年間再登されていなかった世界最難トラッドルートの一本であるBlackbeard’s Tears(5.14c)の第2登を達成。その前には、スコーミッシュで伝説のCobra Crack(5.14b、トラッド)、ディディエ・ベルトが2ヵ月前の6月に初登したばかりのThe Crack of Destiny(5.14b、トラッド)、またジェシー・ヒューイ初登のStélmexw(5.13cステミングコーナー、トラッド)、ヘイゼル・フィンドレー初登のTainted Love(5.13+、トラッド)などを登っている。

そしてスコーミッシュからカリフォルニアに戻り、前述のBlackbeard’s Tearsを完登した後、彼はシエラネバダ山脈に行き、マウント・ホイットニー東壁で計13ピッチ、55mに及ぶ5.13dとされるピッチが核心となっているアルパイン・トラッドルート、Hairlineのフリー初登を達成。その後、今度はヨセミテに足を運び、11月下旬にベス・ロッデン初登の今や象徴的な存在となっているシンクラック、Meltdown(5.14c)を第4登した。

スコーミッシュのザ・チーフで登ったトラッドルート、The Sharkについてコナーは次のように語っている。

「夏にまたスコーミッシュに行った時、ディディエ(・ベルト)に会ったのですが、彼が自分のプロジェクトを見せてくれると言ったのです。私はただ遊びでムーブを試させてもらえると思っていたのですが、なんと彼は私に初登のチャンスをくれたのです。結果、そのプロジェクトを2回目のトライで完登できました。グレードはおそらく8b+(5.14a)か8c(5.14c)くらいでしょう。傾斜のある壁を登る非常にパンプするパワフルなルートです。そのクオリティの高さは申し分ありません」

昨年同様、今年の夏も彼はスコーミッシュで過ごしたのだが、カナダ最難ルートの何本かを再登、または初登した。また他にも何本かの高難度ルートを完登している。

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