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ピート・ウィタカー、オルコ溪谷のPura Pura(8c)第2登
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訳=羽鎌田学
ノルウェーで9aトラッドルートCrown Royaleを初登したばかりのピート・ウィタカーが、10月初旬、イタリア北部ピエモンテ州オルコ渓谷にあるトム・ランドール初登のトラッドルートPura Puraの第2登に成功し、そのグレードを8cとした。
Pura Puraを第2登するピート
このルートは、有名なクラックラインであるGreenspitの下部にシットスタートで始まるトラバースを付け加えたものだ。
もともとはボルトが打たれていたものの未登のままであったGreenspitは、2003年にスイス人クライマー、ディディエ・ベルトの手によって初登された。初登に先立ちディディエはボルトを撤去したが、ギアはプリセットして登った。その後、彼は2005年にオルコ渓谷に再び足を踏み入れ、今度はギアをセットしながら同ルートを再登。彼は当時、このルートを「ヨーロッパ最難クラック」と評していた。
この12mのGreenspitは、2006年に公開された映画『ファースト・アセント』に登場したことで知られるようになった。そして、映画公開から3年後の2009年、トム・ランドールがこのルートを第3登し、翌年にはピートも登っている。
そして2014年、トムはこのルートにシットスタートを追加するために戻ってきた。当時、スペイン人クライマー、ダニエル・アンドラーダがロデジャール、アリババ・ケイブで繰り広げていた様々なリンクルート作りに刺激され、持久力を試すことのできる完璧なルートを設定するということに的を絞っての再訪だった。彼はGreenshadowと名付けた13mのトラバースをボルダー課題として先ず設定し、それをGreenspitのスタートに追加して出来上がった計25mのPura Puraを初登し、8c+とグレードディングした。
Pura Pura のオリジナルパート
当時UKCで報じられたように、トムはPura Puraについて次のように説明している。
「GreenshadowとGreenspitという、長さ、難易度、前傾の程度が等しい2つのルートをリンクすることを目指していました。ロープを付けてGreenshadowのすべてのパートを登り、続いてGreenspitの素晴らしいルーフに入り、そしてまさに最後の最後に待ち構える核心に対峙しなくてはならない一本です。全体として、約25mの非常に傾斜のきついルーフクラックを登ることになり、肩と体幹の筋肉は骨にぶら下がっているだけの役立たずの肉の塊のようになってしまいます」
ピート・ウィタカーの同ルート第2登は、長さ100mにおよぶシングルピッチ、『究極のパンプ・フェス』と彼が呼ぶCrown Royale(9a)の初登からわずか1週間後のことだった。
「こんなことを考えるのは、トム・ランドールだけでしょう」と、彼はPura Puraを登った後にインスタグラムに投稿した。「でも、そういうのに興味がある人にとっては、前腕をパンプさせるのに絶好のリンクルートにはなっています。写真に写っている僕の顔の色からわかるように、最後のほうはめちゃくちゃ力が入りましたよ」
ピートは、同投稿の中で、このルートのグレードを8cとしている。
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