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スターシャ・ゲヨ、Mécanique Élémentaire 8B+完登
Xa White ukclimbing.com
訳=羽鎌田学
セルビアのスターシャ・ゲヨがフォンテーヌブローの8B+/V14課題、Mécanique Élémentaire/メカニック・エレマンテールに成功した。
スターシャが初めてこの課題と相まみえたのは、2017年、一緒にフォンテーヌブローを訪れていたメリッサ・ル・ヌヴェがトライしていた時のこと。そのツアーで、メリッサはこの課題を完登し、ブローの8B+課題を登った最初の女性ボルダラーとなった。一方その時スターシャは、自身にとって初の8A課題、同じ岩にある実質Mécanique Élémentaireの最後のパートでもあるOpiumを登ったが、より長い16手からなるMécanique Élémentaireはまだ手が届かない高嶺の花だと思ったという。
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「メリッサは、左足のヒールを頭よりはるかに高いところにフックする変わった体勢で始まり、その後の被りのきついパートは手がスッポリ入るぐらいのポケットを大きなムーブで繋げ、そして最後はOpiumと共通のパートを強烈なスイングに耐えて終わるという、クレイジーなトラバース課題に取り組んでいました。しかし当時の私には、そんな課題に手をつけるのは、まだまだ先のことに見えたのです」
スターシャは、昨年今度はこの課題を目標にフォンテーヌブローを訪れ、結果的に雨のせいで全てのムーブを繋げることはできなくなってしまったが、少なくとも、それぞれのムーブを個別にこなすことはできた。そして今秋、11月最初の週末、最後のスイングで何度も振り落とされた後、ついに全てのムーブを繋げて岩の上に立つことができた。
「完登前の一週間に3日間トライし、5、6回ぐらいスイングのところで落ち、最後には指は凍え、腕はパンパン、全身くたくたでしたが、ついにやり遂げました。忘れられない闘いになりました。でも、最高にうれしいです。たくさんの人のサポートのおかげで、最後まで頑張れたのです」スターシャは、Mécanique Élémentaire成功を同じ日に亡くなった祖母に捧げることにしたという。
また、この課題の完登により、スターシャ・ゲヨは、メリッサ・ル・ヌヴェとオリアーヌ・ベルトーヌと共に、フォンテーヌブローの8B+(V14)課題を登った女性ボルダラー・グループの一員となり、同時にフランス人以外でフォンテーヌブローの8B+を登った初めての女性となった。
なおこの一つ上のグレード8c(V15)に成功した女性は5名のみ。白石阿島(比叡のホライゾン)、ドイツのカッディー・レーマン(スイスのKryptos)、石井秀佳(鳳来の白道)、オリアーヌ・ベルトーヌ(フォンテーヌブローのSatan I Helvet Low)。